デスク周りを整えてデジタル疲れをリセット:簡単にできる環境づくり
近年、パソコンやスマートフォンを使う時間が増え、心身の疲れを感じる方が多くいらっしゃるかと思います。特に「デジタル疲れ」は、単に目が疲れるだけでなく、集中力の低下や気持ちの落ち込みにもつながることがあります。
私たちはデジタルデバイスを使う際、多くの場合、同じ場所で長時間過ごしています。それは、お仕事中のデスクであったり、自宅のリビングの一角であったりするかもしれません。この「デジタルを使う場所」の環境が、知らず知らずのうちにデジタル疲れを増幅させている可能性があることをご存知でしょうか。
デスク周りの環境がデジタル疲れに関係する理由
なぜ、デスク周りの環境がデジタル疲れに関係するのでしょうか。
長時間同じ姿勢でいることによる体の負担はもちろんですが、目に入る情報、聞こえる音、部屋の明るさや空気の質など、私たちの五感は常に周囲の環境から影響を受けています。散らかっている空間では、無意識のうちに脳が余計な情報を処理しようとして疲れてしまったり、薄暗い場所では目に負担がかかったりします。
このように、デスク周りの環境は、体の疲れだけでなく、脳や心にも影響を与えているのです。逆に言えば、この環境を少し整えるだけで、デジタル疲れを軽減し、心と脳をリフレッシュできる可能性があります。
今日からできる!簡単にデスク周りを整える方法
では、具体的にどのようなことから始めれば良いでしょうか。特別な道具や大掛かりな片付けは必要ありません。まずは、簡単にできることから試してみてください。
1. 目に入る情報を整理する
デスクの上に、使い終わった書類や物、関係ない雑誌などが散らかっていませんか。視界にごちゃごちゃした情報が多いと、脳はその全てを認識しようとして疲れてしまいます。
- 第一歩:いらない物を一時的にどける まずは、今使わない物をデスクから一時的に別の場所に移動させてみましょう。これだけでも、ずいぶん視界がすっきりするはずです。
- 次のステップ:物の「定位置」を決める よく使う物だけをデスクに置き、それぞれに「しまう場所」を決めます。書類ならファイルボックス、ペンならペン立てなど。使い終わったらすぐに定位置に戻す習慣をつけることで、散らかりにくくなります。
- 試してみる:目につくところに心地よい物を置く 好きな写真や、小さな観葉植物など、見るとホッとできる物を一つだけ置いてみましょう。視覚からの良い刺激は、気分転換につながります。
2. 光の環境を見直す
画面を見る作業は、目に大きな負担をかけます。部屋の明るさと画面の明るさのバランスも大切です。
- 第一歩:自然光を意識する できるだけ窓からの自然光を取り入れられる場所にデスクを配置するのが理想ですが、難しければ、日中はカーテンを開けて明るさを確保しましょう。ただし、画面に光が直接反射しないように注意してください。
- 次のステップ:間接照明やデスクライトを活用する 夜間や、部屋全体が暗い場合は、手元や画面の周りを適度に照らすデスクライトを使ってみましょう。直接的な光ではなく、壁に光を当てるような間接照明も、目に優しくリラックスできる空間を作ります。画面だけが明るい状態は目が疲れやすいので避けてください。
3. 姿勢を意識する
体に負担のかかる姿勢は、血行を悪くし、疲れを感じやすくさせます。デスク周りの環境を整えることは、良い姿勢を保つことにもつながります。
- 確認してみる:椅子とデスクの高さ 足の裏が床にしっかりつき、膝が約90度になる椅子の高さが良いとされています。デスクの高さは、キーボードに手を置いたときに肩が上がらない高さが理想です。難しければ、クッションなどで調整してみてください。
- 試してみる:画面の高さと距離 パソコンの画面は、目線よりも少し下に画面の上端が来るように調整すると、首や肩への負担が減ります。画面との距離は、40〜50cm程度が目安です。
- 簡単な工夫:時々立ち上がって体を動かす どんなに良い環境でも、長時間同じ姿勢でいることは体に負担です。タイマーを使うなどして、定期的に立ち上がったり、軽く伸びをしたりする時間を設けましょう。
4. 空気環境を整える
閉め切った部屋や、乾燥した(または湿気が多い)環境も、心身に影響を与えます。
- 簡単な習慣:定期的な換気 1時間に数分でも良いので、窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。新鮮な空気は気分転換になります。
- 試してみる:加湿器やアロマを活用する 空気が乾燥している時期は加湿器を使うのも良いでしょう。アロマディフューザーで心地よい香りをプラスするのも、リラックス効果が期待できます。(ただし、香りに敏感な方もいらっしゃるので、控えめに試してください。)
一つから始めてみましょう
これらの方法は、どれもすぐに始められる簡単なものばかりです。一度に全てを完璧にする必要はありません。まずは「デスクの上のいらない物をどけてみる」や「窓を開けて換気をしてみる」など、一番簡単にできそうなことから一つだけ試してみてください。
小さな変化でも、毎日使う場所が少し心地よくなるだけで、デジタル作業への向き合い方が変わってくることがあります。そして、それは心と脳の休息にもつながるはずです。
デジタル疲れを感じている時は、ついつい「もっと休まなくては」「何か特別なことをしなければ」と考えがちですが、実は身近な環境を少し整えることでも、十分にリフレッシュできる可能性があります。ぜひ、ご自身のデスク周りを見回して、できることから取り組んでみてください。心地よい空間で、心穏やかな時間を過ごせることを願っています。